熱中症による業種別死傷者数において高い割合を占める建設業。
熱中症対策については、他の業種と比べて進んでいる建設業でも熱中症はこのように未だに危険大であることが分かります。
地球の温暖化は、日本の四季の移ろいにも影響を与えていますが、通常では6月中旬に梅雨入りを迎え、約1カ月が梅雨の季節になります。
梅雨の季節は、真夏のような35度を超える暑さはありませんが、30度近くまで気温が上がり、湿度は高くムシムシとした環境(建設現場)での仕事になります。
熱中症の発症は気温が25度を超えると患者が出始め、30度を超えると死亡者が増え始めます。しかし、暑い日だけ注意すればよいというわけではありません。
また、体が暑さに慣れる暑熱順化には、約7日間必要ですので、その間は特に注意が必要です。
湿度が高い時
気温が低くても、湿度が高いと要注意。汗が蒸発しにくく、熱中症になる危険が高くなります。
真夏と言われる、7月以降はグングン気温が上昇し熱中症のリスクが高くなりますが、梅雨真っ最中の6月は、気温は28度と低くても湿度が80%を超えたりします。このときが、要注意です。
日差しが強い日
晴れた日は、直射日光だけでなく地面からの照り返しが熱中症の危険を高めます。
※照り返しは、地面に近い子供やペットがより危険です。また、コンクリートやアスファルトで強く、芝生や土では弱くなります。
風が弱い時
風が弱いと、汗をかいても体にまとわりつき蒸発しにくくなり、体温を下げる効果を弱めてしまいます。
※風も心地よい、発散を手助けしてくれる風は良い風ですが、気温が上がり風が熱風に感じるようでは風も危険因子になります。
暑熱順化時の注意事項
「梅雨明け十日」と言うことわざがあります。太平洋高気圧が勢力を増し梅雨が明けます。その後10日間は良い天気が続くということわざです。その熱い十日に暑熱順化の期間が来ます。
- 暑熱順化は各自で乗り切るのではなく、現場全員で乗り切る。いつも以上にコミュニケーションを密にし注意することが必要です。
- 職長は自分の受け持つ作業員の健康状態を、朝礼時、作業時に注意し、休憩回数を増やす。30分休憩を1回していたのなら、20分休憩2回にする。